*TPP
環太平洋戦略的経済連携協定:TPP (Trans-Pacific Partnership、またはTrans-Pacific Strategic Economic Partnership)に関する記事やニュースが様々なマスコミを賑わせております。
TPPはシンガポール、ニュージーランド、地理、ブルネイの4カ国が貿易・投資・人の移動など幅広い分野における自由化を目指すもので、最終的には参加する各国が外国から入る物品に掛けている税金を相互に全て撤廃することを原則としています。
そして、この動きは現在も広がりを見せており、アメリカやオーストラリアも参加に向けて積極的な国内議論を重ねているようです。
ご承知のように、そのような流れの中で、この協定に参加することは日本にとって非常に高いハードルを越えなければならない非常に複雑で重要な問題ですので、様々な議論が国内でもなされていると言うわけです。
民主党内に於いても、積極的にTPP交渉へ参加しようとする菅総理とその動きに同調する前原外務大臣に対して、全農林水産大臣の山田議員は自身が会長を務める「TPPを慎重に考える会」で参加に慎重な10団体から意見の聴取を行うと共に反対に向けた論陣を張っています。この会には85名の与党議員が出席したそうで、決して、看過出来ない数の国会議員が、この動きに同調しています。
複雑であることに関して、一つの例を挙げるとすると、自由貿易協定(FTA)や経済連携協定(EPA)では撤廃の例外となっている農産物の関税もTPPでは特別扱いを受けないため、全てが非関税となるということです。
若しも、そうなれば、安い米や牛肉、オレンジなどの農作物が安く輸入できますので、単純に考えれば物が安く買えて良いのでしょうが、事はそんなに単純ではありません。
ウルグアイラウンド(羽田総理の際)にしても、ミニマムアクセス米(年間77万トン)という、最低限の外国米の輸入枠を設けたことで大騒ぎとなりました。(その後は、2年ほど前にカビの生えた米を焼酎の原料に転用したことで問題になったあれです。)
それが完全自由化になるのですから、どれ程の影響が日本の農業に有るのかを考えると恐ろしくなります。
都会に住んでいる人は、田圃も畑も癒しの場ほどにしか見ていない人が多いので理解できない人も少なくないとは思いますが、日本にとって地方の農業は単に農業産品を生産するためだけの行為ではありません。
よく言われることですが、山々に降った水は山肌を伝ったり、地下水となって田畑を潤します。特に水田はゴールデンウィークからお盆位まで(地域によって差がありますが)、水を湛えた小規模なダムとして治水に貢献しています。
若しも、水田に水を貯めなければ、山々に降った雨は奔流となって一気に海まで流れ出すのです。
乱暴な言い方になりますが、そうなると真夏の時期の水不足の原因にもなりますし、奔流となった川は土砂を押し流して海に注ぐため、魚たちが卵を産みつける栄養豊富な河口付近の藻場・命の揺りかごは堆積する土砂によって失われるのです。
更に、記憶にも新しい猪や猿の被害にしても、人間が開発しておきながら耕作や手入れを放棄してしまった農作地や里山が以前のように『獣と人間の境界』としての効力を失ったことも大きな要因の一つとして発生したと考えられています。
そんなこんなで、次のスケジュールが迫ってきまして、時間切れとなりましたので、勝手な問題的だけさせて戴いて本日は終りにします。
尻切れトンボで済みませんm(__)m
続きは、後日・・・