平山郁夫逝く

平山郁夫先生が逝かれました。
報道では、ありきたりの「巨星堕ちる」とありましたが、掛け値なしの表現だと感じております。

友人の父親が平山先生と小学校時代の友人だと聞かされてから、妙な親近感を勝手に持っていました。

「平山、お前は絵が上手じゃのう。」と友人たちから言われていたんだそうです(*^_^*)
そりゃ、そうですよね

栴檀(せんだん)は若葉より芳し」と、言ったところでしょうか。

それと、もう一つありました。
既に10年以上前になりますが、平山先生のご紹介を頂戴して敦煌莫高窟を見学に行きました。
本当にゴビ砂漠の真ん中にある遺跡で上海から西安西安から敦厚へ飛び、空港からバスで敦煌の町へ移動し、更に一時間以上バスで砂漠を走って莫高窟に到着しました。
道すがら、「敦煌映画村」がありましたが、色んな意味でビックリしました。
その昔、興行的にはこけた「敦煌」のオープンセット跡で張りぼて感が、ちょっと辛かったのを覚えております(-_-;)

とは言え、莫高窟は掛け値なしに凄い遺跡でした。
壁にいくつもの横穴が掘られており、それぞれに壁画が残されています。
平山先生の紹介ということもあり、普段は見学できない横穴も見学できたのを懐かしく思い出しました。

事前の注意で強力な懐中電灯を持参するように言われていましたので、私は巨大なマグライトを日本から持って行きました。
最近では見かけなくなりましたので、殆ど売れないくらいのサイズだったのだと思います。たしか、単一電池を直列に6本入れるものだったと記憶しています。
流石に凄い光量で、天井の隅々まで照らすことが出来ました。重たい思いをして持っていった甲斐がありました(^_^)v

これには余談がありまして、私のマグライトを見た莫高窟研究機関の助教授がしきりに素晴らしいと誉めてくれたのでした。
彼の話によると、中国にも同じものを販売する店があるがコピー商品なので全く性能が違うというのです。

莫高窟を見学した夜、ウェルカムパーティーを開いて下さった御礼の会が開かれ、助教授と再会したのですが、その際に日中友好とばかりに進呈すると申し出ると随分と喜んでくださいました。
翌日、敦煌空港から発つ私を見送りに来てくれるほどの嬉しさだったらしく、逆に恐縮したのを憶えています。

今も私のマグライトは元気に働いているのでしょうか?

そんなこんなで、様々な記憶が去来しております。

今は只、僅かにご高徳を称えて、平山先生のご冥福を祈ります。